NFL2019シーズンOLのポジションの固定度ランキング
アメフトの世界では最も地味なポジションの1つでありながら、弱いとどうにもならなのがオフェンシブラインです。
通常LT,LG,C,RG,RTの5人一組で、ランプレーではRBの走路を開き、パスプレーではQBをプロテクトします。
選手交代が自由なアメフトにおいて、QBと一緒に攻撃中は通常出ずっぱりです。
5人のコンビネーションが大事で、シーズンを通して固定メンバーで戦えることが良いとされています。一方でタフなポジションでもあり、けが人も多く出ます。
本記事では2019年レギュラーシーズン16戦のうち、各チームがどれくらい固定メンバーで戦えたをツリーマップで可視化してみました。以下は例としてARIのケースです。
ツリーマップの各四角形の大きさがオフェンスのスナップ数の割合を示しています。たくさん出場していれば面積が大きく、少ししか出場していなければ面積は小さくなります。5名全員がフル出場していれば、面積は5等分になります。ジャンボパッケージのようにエクストラOLとして出場するケースがありますが、例外的なケースとして考えていません。データはfootballoutsidesさんから取得しました。Select Teamからチーム名を選ぶとツリーマップが表示されます。
ツリーマップで可視化したデータをもとに、「固定度」を算出しランキングを出してみましょう。「固定度」は多様性を表すSimpsonのDの定義を流用して以下の通りとします。
はOLの各選手の出場割合を5で割ったもので、全数出場の場合は1/5=0.2、1回も出場しなかった場合は0になります。5名で固定できていた場合、最小の0.8で、しっちゃかめっちゃかだった場合は数値は大きくなっていきます。なお若手の成長でシーズン中にベテランを追い抜いたケースや、途中でけが人が復帰してきた場合もDが大きくなる=「固定度」が悪くなるというのはありますので、単純な評価はできないことはご留意ください。
それでは32チームのランキングを見てみましょう。
team | D |
IND | 0.806 |
ARI | 0.818 |
PIT | 0.822 |
TB | 0.824 |
NYG | 0.826 |
JAX | 0.827 |
GB | 0.827 |
DEN | 0.830 |
WAS | 0.833 |
MIA | 0.834 |
NO | 0.835 |
BAL | 0.836 |
MIN | 0.838 |
NE | 0.838 |
PHI | 0.838 |
BUF | 0.838 |
CHI | 0.840 |
CLE | 0.841 |
CAR | 0.841 |
DAL | 0.842 |
TEN | 0.842 |
ATL | 0.843 |
KC | 0.848 |
DET | 0.850 |
SEA | 0.850 |
HOU | 0.852 |
LAC | 0.853 |
SF | 0.855 |
CIN | 0.862 |
OAK | 0.863 |
LAR | 0.868 |
NYJ | 0.880 |
実際に最も良かったIND(D=0.806)と悪かったNYJ(D=0.880)を比べてみましょう。
5人ががっちり固定できているINDと、ファンではないと誰がレギュラーなのかわからないNYJ。はっきり差が出ています。
最後にPFFのOLグレードと比較してみましょう。横軸にPFFのランキングを、縦軸に安定度をとってプロットしてみました。赤丸はPO出場チームです。
左側PFFの評価が良いチームは安定度が0.84を切っています。0.8に近いINDはQBの問題でしょうか。右側にある赤丸はSEAでラッセルウィルソンの稀有な才能あってのことでしょう。中央あたりの赤丸はBUF,HOU,MINと守備が強いチームが並んでいます。
やはりOLの安定性が強いチーム作りの要因になっていると思われます。