ドラフトの順位が高いほど”良い”選手になるか NFL
このエントリーは、The New York Times Onlineに掲載されたNFLドラフトにまつわる記事について、その内容を補足した記事「Charting Skill and Chance in the N.F.L. Draft 」の簡易訳です。英語はあまり自信がないので、間違いがあればツッコミお願いします。
分析者の彼らは、まず何を持って”良い”選手とするかの基準を決めています。ポジションの違う選手を成績で横並びで比較するのは難しい*1ため、先発の回数とプロボウル*2選出の回数をを最重要視したしたようです。つまり"良い”={先発回数が多い、プロボウル選出回数が多い}です*3。
全ての選手について"良さ"を数値化し、ドラフト順位と比較をしていきます。これによって決まった1995年以来のベスト20は次の通りです。1位ペイトン・マニング、2位レイ・ルイス、3位ブレット・ファーヴとそうそうたる面々が並んでいます。
全選手について、先ほど定義した”良さ"を縦軸に、ドラフト順位*4を横軸にしてプロットしたものが次の図です。色分けはドラフトのラウンドを表しています。
一番左端全体1順にはペイトン・マニング、キャム・ニュートン、アンドリュー・ラックも含まれていますが、ジャマーカス・ラッセル*5も含まれています。(一番左上の点はペイトン・マニング、6順で高い位置にいるのはトム・ブレイディと思われます。)もうちょっと見やすくするために、各順位ごとに平均値をとったものが次の図です。
このチャートから明らかなのは、"良い"プレイヤーはより早く指名されるということです。ただし平均値で見た場合、若干のミスリーディングを起こす可能性があるため、箱ひげ図で分布をみてみます
箱ひげ図でみると、早いラウンドでの指名がより"良い”活躍をすることが分かります。(その一方で分布は広く、1順指名された内25%以上が、2順指名の半数に"良さ"で負けることが分かります。)ただ煩雑なため、最終的に記事に掲載されたのは次の棒グラフに落ち着きました。
分析者は、多くの人が思っているより、指名順位と選手の"良さ"の関係は偶然性が高いということを指摘しています。次の図は、あるチームが同じポジションでより"良い"プレイヤーを獲得できる確率を示したものです。つまりペイトン・マニング(1998年全体1位)を選択し、ライアン・リーフ(同年全体2位)を選択しない確率、もしくはスペルゴン・ウィン(2000年全体183位)を選択せず、トム・ブレイディ(同年199位)を選択する確率です。
これを見ると、コイン投げの確率(50%)よりマシなのは指名ができるのは、1順だけです。4順以降は確率が50%を下回りますが、大半のプレイヤーがベンチウォーマーで過ごすため、ノイズの多いデータであるためあまり意味がないと考えているようです。
最後に年ごとBest10プレイヤーが何順で選択されたかを次の図で示す。
最終的にデザイナーが加工して、以下の記事が採用されました。
またイタラクティブなものとして、年ごとのBest(1~20)プレイヤーを表示するツールも作成して公開しています。
分析者は指名順と活躍は多くの人が思っているほど相関しないと指摘していますが、それでも彼らが定義したトッププレイヤーの3分の2が、1ラウンドで指名されいることは興味深いです。個人的には2013年の1順で3回も指名したバイキングズに対して、ぐぬぬという気持ちを抑えきれません。